コピ・ルアクコーヒーで苦しむジャコウネコ：企業に今すぐ行動を求めよう

ジャコウネコが、自然の住処から連れ去られ、狭い檻に押し込められ、排泄物をコピ・ルアクとして売るために不自然な量のコーヒーの実を食べるしかない状況にされ苦しんでいると聞いた多くの企業が思いやりのある決断をして、販売をやめました。一方で、日本の流通業者の中には、PETAアジアから動物虐待の横行について聞いたにもかかわらず、誰も必要としない目新しい製品のために、動物の苦痛から利益を得ることを選択した業者もいます。

コピ・ルアク産業に関するPETAの新たな調査
ジャコウネコの排泄する豆から作られるコピ・ルアク、つまりジャコウネココーヒーは、この動物がひどい環境で飼育されているにもかかわらず、世界中で販売され続けています。インドネシアのジャワ島にある農場に対するPETAの最新の調査では、病気や怪我、死に瀕したジャコウネコが、自分の排泄物で覆われた狭くて不潔な檻の中で苦しんでいるのを発見しました。開いた傷に苦しみ、寄生虫の蔓延と闘っている栄養失調の動物の中には、動くことさえできないほど病気になっている者もいました。PETAの調査員は、起き上がることもできないほど衰弱した1匹のジャコウネコが、不潔な檻の中でじっと横たわっているのを発見し、農場主に報告しました。農場主は「（動物を）捨てたい」と言いました。調査員は動物を急いで獣医へ連れて行きましたが……。

違法に飼育され、コーヒーのために搾取されるビントロング
PETAの最新の調査では、あるコピ・ルアク農家が、檻に入れられ違法に飼育されているビントロング（国際自然保護連合の絶滅危惧種レッドリストで「危急種」に指定されている動物）にコーヒーチェリーを与え、排泄された豆を不正にラベル付けしてジャコウネココーヒーとして販売していたことも明らかになりました。

コピ・ルアクの残酷さを暴露して10年、虐待は続く
PETAによる複数の調査で、金網でできた小さな檻に常に閉じ込められていることが、敏感なジャコウネコに与えている悪影響が繰り返し明らかにされています。農場では、殺風景な檻の中でジャコウネコが絶えず歩き回ったり回転したりする姿がよく見られます。これは、厳しい監禁生活による苦痛とフラストレーションが極度の精神的ストレスを引き起こしている兆候です。

ストレスと恐怖で怯えたこの動物は、不潔な監獄から必死に逃げ出そうと歩き回っています。監獄では、排泄物がコピ・ルアクとして売られるため、コーヒーの実を異常な量食べさせられています。人間を恐れる夜行性のジャコウネコが安心して眠れる暗い寝床もない、小さな金網の檻に閉じ込められ、常に人間との望まない接触にさらされていました。檻の中は糞や腐った実などの汚物であふれ、暑さの中、ひたすら喘いでいました。

「野生由来」は真っ赤な嘘
PETAに寄せられたメッセージの中で、ある企業は「100％野生から倫理的に調達されたコピ・ルアクコーヒー」だけを販売していると主張しています。コピ・ルアクコーヒーの販売者は、一般的に同様の謳い文句を掲げていますが、業界関係者は、このコーヒーを生産するのに十分な量の野生のジャコウネコの排泄物を集めることは、ほぼ不可能であるとPETA調査員に語っています。ある生産者は、放し飼いのジャコウネコが排泄した豆を少量集め、檻の中の動物が排泄した豆と混ぜて、「野生由来」と誤解を招く表記をすることがあると認めています。また、別の生産者は、買い手を装った調査官に対し、檻の中のジャコウネコが生産したコーヒー豆を 「野生」と表示すればよいと話しました。

次なるパンデミックの醸成
動物が自分の排泄物の中に閉じ込められ、ストレスで免疫機能が抑制されると、人獣共通感染症の温床が生まれます。致死率が約15%と推定されるSARSは、ジャコウネコから人間に感染しました。また、科学者はジャコウネコをCOVID-19の「中間宿主」として特定しており、人へウイルスが変異して伝染する経路を作る可能性があります。コピ・ルアク産業に利用された後に生き延びたジャコウネコは、新型コロナウイルスが発生したとされる市場のような生きた動物の市場に売られることがあり、人間と直接接触し、SARSや他のウイルスが変異して別の宿主に感染する可能性が高まります。

今こそ、ウンコを断つとき

コピ・ルアクは珍味ではなく、恥辱です。どの国にいても、どんな保証があっても、購入したり飲んだりしないでください。

PETAはこれらの企業に、「野生の」ジャコウネコのコーヒーが本質的に嘘であるという証拠を送りましたが、販売廃止の要請を無視しています。コピ・ルアクの販売を廃止し 、ジャコウネコに対する残酷な行為への資金提供をやめるよう、本日、企業に働きかけましょう。
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